<第90回箱根駅伝>◇2日◇往路◇東京-箱根(5区間108キロ)

 山梨学院大の2区、ケニア人留学生オムワンバ(2年)が途中棄権した。昨年は12人抜きを記録していたが、大会通算15回目の棄権となった。16位でたすきを受けると、自分で設定したタイム通りの快調な走りで5人抜き。しかし8キロ過ぎから、右ふくらはぎを気にしだした。上田監督が声を掛けると「イタイ」と口が動き、直後によろめくと道路脇に座り込んだ。病院で診察を受け、結果は右足腓骨(ひこつ)疲労骨折。「チームはどうなるんだ」と泣く留学生に、上田監督は「大丈夫だ」と声を掛けた。

 到着を待っていた3区の兼子(3年)は、中継所で衝撃の一報を聞いた。ワンセグで確認すると、抱えられる仲間の姿があった。それでも「後半10キロを走れなかったエノック(オムワンバ)の思いを受け継いで走った」と参考記録ながら区間6位の走り。上田監督は復路へ「たすきはつながらなかったけど、心はつないでいきたい」と話した。