【北京19日=益田一弘】陸上男子短距離のサニブラウン・ハキーム(16=東京・城西高2年)が、新兵器を持参する。世界選手権北京大会(22日開幕)で男子200メートルと同400メートルリレーに出場する可能性がある16歳に「日の丸カラー」のサングラスが届いたことが分かった。サニブラウンに物品を提供するオークリー社が作製した特別製だ。

 サングラスは、日の丸をモチーフにした赤と白のフレームを採用。グラスの左下には「JAPAN」の文字が浮き出る世界選手権専用バージョンだ。大会が行われる北京はPM2・5など大気汚染が懸念されている。大事なレースを前に、PM2・5が原因でドライアイや角膜炎になれば、パフォーマンスに影響する。同社は、北京でアスリートの目を守ることも考えて、特別グラスを作製した。

 しかも縁起ものだ。サニブラウンはサングラスをつけて7月の世界ユースで100メートルと200メートルの2冠、8月の高校総体で200メートルで優勝。着用の理由について「縁があるので」と話している。同社の関係者は「基本モデルはサニブラウン選手が世界ユース、高校総体で使ったものと同じです」と説明。新しい相棒を手に、世界舞台に乗り込む。

 メーン会場「鳥の巣」に隣接するサブトラックでは高瀬、金丸や米国代表のガトリンらが練習。大会ムードも盛り上がってきた。サニブラウンも今日20日に現地入りを予定。驚異の16歳が、いよいよ北京に立つ。

 ◆陸上とサングラス 短距離では強い紫外線が目に入ることで肩付近の筋肉が収縮してパフォーマンスが低下することがある。国内の高校生でつける選手は少ないが、サニブラウンは指導を受ける山村監督の「いいものは取り入れる」という方針もあって使用する。