ロシア選手のドーピング隠蔽(いんぺい)や賄賂の強要に関与したとして国際陸連のディアク前会長(セネガル)の息子で国際陸連のコンサルタントだったパパマッサタ・ディアク氏ら3人が永久追放処分を科された問題で、世界反ドーピング機関(WADA)がロシアだけでなく、トルコの選手にも隠蔽工作が図られた可能性を指摘していることが10日、分かった。

 関係者によると、ディアク氏の息子らは2012年ロンドン五輪女子1500メートルで優勝したアスリ・カキルアルプテキン(トルコ)に薬物違反の事実をもみ消す代わりに金銭を要求した疑惑があるという。同選手は昨年8月にドーピング違反で8年間の資格停止と金メダル剥奪が確定した。14日に第2回報告書を公表するWADAは第三者委員会がこの問題を調査し、同様の隠蔽工作システムでロシア以外のモロッコなどにも波及する可能性があるとしている。

 ディアク前会長もドーピングに絡んだ収賄容疑などでフランス司法当局から捜査されている。