陸上界のスーパースター、ウサイン・ボルト(30=ジャマイカ)は9秒95の3着だった。

 男子400メートルリレーに出場するが、個人ではラストレース。3連覇を逃し、有終の美こそならなかったが、会場からは優勝したかのように温かい拍手と祝福を受けた。

 優勝は過去に2度のドーピングで出場停止処分を受けているジャスティン・ガトリン(米国)だった。会場にブーイングが起こる中、ガトリンと抱き合ってからボルトはスタンド前を歩き始めた。ブーイングは「ウサイン」コールに変わった。大勢のカメラマンを引き連れ、大歓声の中、まるで勝者のようにゆっくりと場内を1周。写真撮影やハイタッチした。場内の最初のインタビューも優勝したガトリンではなくボルトだった。

 最後はお決まりのボルトポーズを3回。万雷の拍手に包まれて、グラウンドを後にした。12日の男子400メートルリレーが現役最後のレースとなる。