本格的にマラソンに挑戦するため4月末にコニカミノルタ陸上部を退部した神野大地(24)が12日、横浜市内の日体大で行われた記録会1万メートルに参加し、プロとしてのスタートを切った。

 自己ベストの28分17秒54には届かなかったが、それに次ぐ28分35秒47でゴールし、「いいスタートを切れた」とすがすがしい表情で話した。

 プロの世界に飛び込んだのは、自信があるからではなく、むしろ「陸上人生最後の挑戦」に自分を追い込むためだった。神野は青学大3、4年時に箱根駅伝の山登り5区で連覇に貢献。「3代目山の神」と呼ばれた。16年にコニカミノルタに入社し、昨年からは20年東京五輪マラソンでのメダル獲得を目指し、マラソンへの挑戦をスタートさせた。

 初マラソンとなった昨年12月の福岡国際は2時間12分50秒の13位、2度目となった2月の東京マラソンは2時間10分18秒の18位と力不足を痛感した。「今のままでは難しい。このまま、みんなと同じスケジュールで過ごしていたら自分には届きそうにないと思った」。

 マラソン練習に集中するため、スポンサーのあてもないまま、実業団をやめると決めた。母校青学大の原晋監督に転向を報告。「よく覚悟を決めた。厳しい声もあると思うが、そんなのは気にせずにやれ」と背中を押してもらった。

 「時間をどうプラスにするかは、これからの自分にかかっている」。今後は、7月から2カ月間ケニアで合宿を積み、そのままプロ転向後の初レースとなる9月のベルリンマラソンに臨む予定だ。