東洋大1区の西山和弥(2年)が、憧れの人に並んだ。レース序盤は先頭集団に紛れたが、18キロ付近の六郷橋にさしかかるとラストスパートをかけた。粘る中大の中山を1秒差でかわして2年連続の区間賞。大迫傑(早大)以来となる1、2年生時での1区区間賞の快挙で往路優勝に貢献した。

尊敬する大迫から以前、スピードの重要性を説かれたという。以降、全体練習後に100メートルを3本走るのが日課だ。「腰高になってキレが出る」と効果を実感しており、この日のラストスパートでもスムーズに足が前に出た。六郷橋からのスパートもプラン通りだったといい、積み上げてきたものと合致。「憧れの人に記録で並ぶことができてうれしいです」と笑顔を見せた。

昨年10月の出雲(区間6位)11月の全日本(区間14位)と不振が続き、周囲と会話できないほどにふさぎ込んだ。それでもチームメートやスタッフは、変わらずにサポートを続けてくれた。母からも「小さなことに感謝するのが大切。それだけは忘れてはいけない」とエールをもらった。周囲の人の支えがあったからこその区間賞に「関わってくれた人たちのおかげです」としみじみとした。【佐々木隆史】