師匠を超えた! U20日本記録を持つ江島雅紀(20=日大)が5メートル61を記録し、初優勝を飾った。

5メートル83の日本記録を誇る沢野大地(38=富士通)が5メートル51で2位。普段、日大で指導を受ける“師匠”とのワンツーフィニッシュで頂点に立ち、江島は「うれしいの一言。沢野選手は現日本記録保持者。その記録を塗り替える強い気持ちを持たないと、いつまでたっても引退してくれない」と隣で取材を受ける沢野へ思いを込めた。

悪天候の中でも集中した。本番前の練習で手をやけどするアクシデント。そんな江島を見た沢野から「やるだけだよ」と声をかけられた。小学校高学年の時、世界選手権で跳躍する沢野をテレビで見て「人って飛べるんだ」と憧れた。18歳差ながら、今もなお現役選手として活躍する沢野は、江島から見て「学校の先生であり、コーチであり、選手でライバル。一言で表すのは難しいけれど、僕の理想像。『レジェンド』としか言いようがない」。そんな先輩を、真剣勝負の場で上回ることができた。

9月に開幕する世界選手権(ドーハ)の参加標準記録は5メートル71。同記録の突破と優勝で代表に内定するが、5メートル71は惜しくも3度とも失敗した。

今後はユニバーシアード競技大会(7月、イタリア・ナポリ)での参加標準記録突破を目指す。優勝を泣いて喜んだ江島は「世界選手権や(東京)オリンピック(五輪)が、沢野選手と戦える最高の舞台」。雨の博多で、次の目標がさらに一段高くなった。