男子やり投げは小南拓人(24=筑波銀行)が自己記録となる81メートル11で優勝した。

1投目は71メートル58だったが、2投目に見事に修正。自己記録を93センチ更新した。「変な力みなく、きれいにやりを押し出せた」。会場の都合上、普段より短い距離の助走を余儀なくされたが、「力が抜けてよかったのかもしれない」と笑顔。秋の世界選手権(ドーハ)の参加標準記録まで、あと1メートル89センチに迫る、会心の投てきだった。「再現性を高めて、スピードが乗った中でやれば見えてくる。83メートルを投げられるように精いっぱいやりたい」と、参加標準記録の突破をにらんだ。

16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)代表の新井涼平(28=スズキ浜松AC)は76メートル84の3位。日本選手権後に約1週間、気管支炎など体調を崩したのが響いた。4投目から3本連続で記録なし。助走が合わない場面もあり、本来の姿を失っている。「やり投げを忘れている。パワーもない。練習を積み直さないと」。日本選手権では6連覇を達成するも、まだ世界選手権の参加標準記録は突破していない。出直しをして、3大会連続となる世界選手権の切符をつかみに行く。