陸上の日本実業団連合が選手の移籍に関して、元の所属チームを円満に退部しなかった場合に「無期限」で登録を認めなかった規定を緩和し、最大で「1年」とすることが決定的となったことが7日、関係者への取材で分かった。8日の理事会で承認される見通しで、そこで正式に決定する。

元チームから「円満移籍」の了承を得なければ、移籍先で無期限に選手登録できない規定は、過去に引き抜き行為によって、チームが崩壊した事例があったことで整備された。しかし、公正取引委員会からは独占禁止法違反の可能性があるとして改正を要請されていた。選手の立場が弱いことで生じるハラスメント行為も問題視されていた。改正後は、前所属先の了承を得なくても、選手は最大で「1年」待てば、連合主催の大会の参加を含め、新所属先で自由に活動できる。

また元日のニューイヤー駅伝など年度末までの大会に出場できる選手の追加登録の期限は「9月末日」とされているが、「12月末日」と延長する案も出されるという。もし、承認されれば、ニューイヤー駅伝の直前まで移籍市場が開くことになる。選手は希望の環境で競技をしやすくなる半面、資金力の少ない実業団は主力選手を引き抜かれやすくなるとの懸念もある。