目覚ましい勢いで成長を続ける女子トラック界のホープが、この日も存在感を示した。20歳の田中希実(豊田自動織機TC)が5000メートルで15分2秒62で先頭ゴール。ペースメーカー不在の中で序盤から果敢にレースを引っ張り、終盤にペースアップ。自己ベスト更新とはならなかったものの、「練習を続けてきた姿を見せることができた。これからも頑張りたい」と納得顔を浮かべた。

田中は8日のホクレン・ディスタンスチャレンジ深川大会で女子3000メートルの日本記録を18年ぶりに更新。4日の士別大会でも1500メートルで日本歴代2位の好タイムをたたき出していた。

昨秋の世界選手権(カタール・ドーハ)では女子5000メートルで決勝に進出して14位。日本歴代2位となる15分0秒01をマークし、東京オリンピック(五輪)の参加標準記録を突破していた。

同志社大に在学中だが陸上部には入らず、父・健智さんの指導を受けながら実力を磨いている。

◆田中希実(たなか・のぞみ)1999年(平11)9月4日、兵庫県出身。兵庫・小野南中、西脇工から同大スポーツ健康科学部に進学。18年U20世界選手権女子3000メートルで金メダル獲得。19年世界選手権女子5000メートル14位。153センチ