陸上女子100メートル障害で12秒97の日本記録を持つ寺田明日香(30=パソナグループ)が23日、総体が中止になった高校生らを支援する企画「高校陸上ウィズ・アスリーツ・プロジェクト」の締めくくりとなるオンラインイベントに登壇した。

昨季の結果により、レースでの立ち位置も変わった。陸上界への復帰1年目と今季は違った。「『勝つだろう』と思われて臨む試合が久しぶりだった。去年とは違い、楽しんだり、落ち込んだりしながらのシーズンでした」と振り返った。

今季は青木益未(26=七十七銀行)が追い風2・1メートルの参考記録ながら、12秒87を出すなど急成長。「全体のレベルが上がっているのがすごくうれしい」と歓迎。10月の日本選手権では、その青木に敗れて2位だった。「1人の選手として、やっぱり自分がトップのタイムで走りたい気持ちも芽生えた」。負けん気も強くなったようだった。

引退、結婚、出産、7人制ラグビー転向などのキャリアも持つ。同企画では高校生から陸上の技術面以外の質問に答えることも多かった。寺田は「キャリア選択とか人との付き合い方、コミュニケーションの取り方についての質問が多くてすごくうれしかった。『あのサマースクールがあったから陸上に取り組む姿勢が少し変わった』と思ってもらえるといいですね。みんなどうしてるのかな。また会いたいです」と笑顔を見せた。