「若い力を信じる」。酒井俊幸監督が大会前に語っていた東洋大は、1区に起用された1年生の児玉悠輔が、トップと24秒差の区間9位でタスキを渡した。

「最低限の仕事は果たせたかな」。スタート直後は周囲も驚いていたというスローペース。大集団のけん制が続き、戸惑いもあった。ただ、「もともと自分で引っ張るのは苦手なタイプ。後ろにいて周りの状況をみていくことになりました」と冷静なプランを実行した。

16キロ過ぎ、仕掛けどころの六郷橋にさしかかると、「自分からいって、余裕をもってラスト3キロを迎えようと」とペースを上げた。単独走成功とはならなかったが、しっかりとしたペース配分で初舞台を走り抜いた。

チームは昨年大会で11年連続3位以内が途切れた。上位返り咲きに向けて、若い力が堅実な仕事。「後半に上級生が控えている。最後の箱根駅伝。良い走りして、良い順位で走ってもらい、良い形で終わってほしかった」と思いを込めた。