山形中央の「投てきコンビ」が、東北の表彰台に立つ。全国高校総体の“前哨戦”となる東北高校総体の陸上競技が19日、岩手・北上総合運動公園陸上競技場で開幕する。男子砲丸投げの東海林慎也(2年)と女子ハンマー投げの後藤雅奈(3年)は、5月下旬の山形県総体で、大会新記録での優勝に輝いた。山形王者の実力を発揮し、全国への挑戦権を勝ち取る。

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男子砲丸投げの東海林は、2年連続東北王者を視野に入れる。昨年の東北新人では14メートル95を投げ、1年生ながら優勝。今年の目標は「東北総体は優勝して、県高校記録の16メートル29は確実に超えたい。そして、インターハイまでに調子を上げて、16メートル50を超えて(全国)3位以内に入りたい」と言葉に力を込めた。

今春はコロナ禍で大会中止や部活動自粛もあったが、自宅でのウエートトレーニングを欠かさなかった。重さ140キロのバーベルを持ちながら、スクワット5回10セットなどをして、下半身を強化。県総体は降雨でサークルが滑りやすい中、試合前日に大会新記録で優勝した後藤からも刺激を受け「自分も(大会新を)出すぞ! という気持ちになった」と公認自己ベストの15メートル70で制した。県総体前の校内トライアルでは16メートル超えを記録し、公認でさらなる記録更新を目指す。

山形王者はハンマー、円盤投げでも東北総体に出場する。「高校入学の時に決めた目標が砲丸とハンマーで両方とも総体優勝」。大きな野望を抱きながら高校初の全国舞台を決めるロングスローを見せる。【相沢孔志】

◆東海林慎也(とうかいりん・しんや)2004年(平16)6月4日生まれ、山形県出身。蔵王一中2年時にジュニア五輪出場。3年時に全中出場、茨城国体少年Bで8位。山形中央では1年時に東北新人優勝。自己ベストは15メートル70。181センチ、102キロ。家族は両親と兄3人。