走り幅跳び→400メートルリレー→走り幅跳び。陸上男子110メートル障害日本記録保持者の泉谷駿介(21=順大)が大忙しの「はしご」をした。7メートル73で3位だった走り幅跳びは、3回目から5回目をスキップ。その間に400メートルリレー予選で順大のアンカーを務め、39秒32の1組1着となって決勝進出に貢献した。

走り幅跳びで2回目を終え、4回目以降の試技に進めることを濃厚にすると、泉谷は競技場から姿を消した。400メートルリレーのアップへと向かった。そのままアンカーで激走し、仕事を果たすと、荷物をまとめ、再び走り幅跳びの場所に戻ってきた。4回目、5回目のジャンプはできなかったが、最終6回目には間に合わせた。自己記録7メートル92には届かずも、この日の最高記録をマークした。総合優勝も目指し、仲間と戦う大事な日本インカレ。「誰を起用するか」とのチームメートとの話し合いで、背中を押され、時間が重なっている種目の「二刀流」を実現させた。

並外れたバネなど高い身体能力を誇り、神奈川・武相高時代に8種競技で高校総体を制している4年生。東京五輪までの1年は世界で最も通用する男子110メートル障害に特化していたが、今は陸上をエンジョイし、幅広く競技に出るつもりでいる。助走がうまくいかなかった走り幅跳びで、優勝には届かず「楽しさは半減」と苦笑いも「あらためて陸上はおもしろい」と実感した。

18日は“本職”の男子110メートル障害予選と、男子400メートルリレーの決勝に挑む。この間は8時間以上ある。もちろん2種目とも出るつもりだ。