札幌山の手陸上部のケニア人留学生で駅伝エースのパトリック・キンヤンジュイ(3年)が16日、上武大に合格した。目標は箱根駅伝への出場、そして区間賞。大学での大舞台挑戦に弾みをつけるべく、26日に行われる最後の全国高校駅伝(京都)で区間賞を狙う。

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キンヤンジュイが過去11度の箱根駅伝出場実績を持つ上武大に進学を決めた。この日ビジネス情報学部に合格。「ほっとしました」と白い歯を見せた。上達中の日本語で「箱根駅伝に出て区間賞をとりたい」と話し「ニューイヤー駅伝も走りたい」とその先の目標までしっかりと思い描いた。

先輩たちの背中を追う。上武大には年明けの箱根駅伝で学生連合チームに選出されている村上航大(3年)がいる。そのほか、昨年ともに全国高校駅伝を走った1学年先輩の辻本幸翼と坂本凌太郎もおり「同じ山の手の先輩と一緒に頑張りたい」と力を込める。梶山一樹監督(50)も「大学で箱根を目指して、もっと日本語も覚えて学力も上げて。将来的には実業団の世界で走れる選手に」と背中を押している。

高校での実績は十分だ。1年生で出場した全国高校駅伝では3区24人抜きで区間2位。今年8月の高校総体(福井)5000メートルは13分35秒57で2位になった。大会新記録をマークしたが、同じケニア人で優勝したコスマス・ムワンギ(広島・世羅)に最後0秒94差で振り切られ「悔しかった。都大路は負けない」と話す。

26日の全国高校駅伝に向け調子は上向きだ。4日に参加した日体大長距離競技会1万メートルでは、高校生ランキングトップとなる28分6秒31を記録した。「3年生で最後なので3区の区間賞をとりたい」。同区(8・1075キロ)の区間記録は前回大会でムワンギがマークした22分39秒。高校総体のリベンジへ「22分50秒を目標に都大路頑張ります」と気合は十分だ。【山崎純一】

◆札幌山の手出身者と箱根駅伝 上武大では17年の93回大会で佐藤史弥(4年)が1時間12分55秒で区間11位。来年の98回大会には明大の金橋佳佑(4年)関東学生連合で上武大の村上がエントリーしている。

◆パトリック・キンヤンジュイ 2003年9月14日生まれ。ケニア出身。陸上は13歳から始める。19年4月に来日。5000メートルの自己ベストは13分25秒57。家族は両親と兄、弟、妹。好きな食べ物はカレーライス。173センチ、60キロ。