箱根駅伝で4度の総合優勝を誇る、大東大の陸上競技部男子長距離ブロック新監督に、同大OBの真名子圭氏(43)が今月1日付で就任し、7日に埼玉県東松山市の同大東松山校舎で就任会見が行われた。同氏は12年から10年間、仙台育英(宮城)で長距離男子の監督を務め、19年の全国高校駅伝で優勝に導くなど手腕を発揮してきた。低迷する母校の再建を図る。

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真名子監督が名門復活に挑む。大東大は箱根駅伝に通算50度出場し、総合優勝4度の古豪。しかし、現在は3年連続で予選会敗退と苦しんでいる。「近年の母校の低迷は気になっていました。簡単にはいかないですが、もう1度、箱根駅伝優勝に向けてチームを復活させたいです」。兄弟や友人のような対等な関係を心がけ、3月19日から新天地で指導をスタートさせた。

現役時代は4年連続で箱根路を走り、エースとして活躍した。4年時は主将を務め、10区で区間賞(区間新)を獲得。卒業後は実業団ホンダで競技を続け、引退後は地元三重県で教員となり、12年に仙台育英に赴任した。同校監督に就任した際は東日本大震災の影響もあり、有力選手が集団転校するなど部員が4人しかいない状況も経験。就任3年目で全国高校駅伝に初出場すると、昨年まで8年連続で出場し、19年優勝、20年準優勝、17、21年3位と堂々の成績を残してきた。

「最初は県大会を勝てず、伝統ある高校の歴史をつぶしてしまい、『ここの監督を引き受けて良かったのかな』と迷うこともたくさんありました。私は陸上選手として大東文化大学に育てていただき、指導者としては仙台育英学園に育てていただいたと思っています。本当に大切な10年という時間でした」

真名子監督は女子の仙台育英を率いる釜石慶太監督(34)らから「男子が低迷しないように我々がしっかり支えます」と新たな挑戦を後押しされたという。「体が動く、活力ある年代だと思っていて、母校を復活させたい思いで決断しました」。

大東大は来年に創立100周年を迎える。「今年、来年中には必ず3大駅伝(出雲、全日本、箱根)の舞台に戻って、安定してシードを確保し、何年後かは断言できないですが、近い将来、5回目の箱根駅伝優勝を目指したいです」。チーム再建の大仕事をやってのける。【山田愛斗】