京大2年の篠田佳奈(19)が、50メートル56で初優勝を果たした。同選手権で、京大女子の優勝は全種目を通じてこれが初めて。3投目で優勝記録をマークして「力まず投げようと意識した。飛んだ感じは良かった」と振り返った。

同大会は第1回が1921年(大10)に開催されている伝統ある大会。女子の競技も第30回の1953年(昭28)から始まっている。篠田は京大女子として、初めての栄誉を手にした。

京大入学後に「ウエート(トレーニング)の量が増え、筋力が上がった」と2年間の成果を口にする。岐阜高時代の自己ベストは40メートル41。2年間で10メートル以上も記録を伸ばした。篠田によれば、京大女子が出したやり投げの過去最高記録は45メートル80だったという。その記録も5メートル近く更新した。

工学部に所属しており、好きな科目は物理。高校時代は、1日8時間以上の勉強を重ねて、合格を勝ち取った。将来は京大で学んだことを生かして、化学系の企業に就職することを目指しているという。

部活動では、同じ工学部に所属する先輩から「エネルギー保存の法則で(走ってきた)自分が止まることで、その分の(助走の)エネルギーをやりに伝えられる」と教えられてきた。文武両道で今後も記録更新を目指していく。【波部俊之介】