第99回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)が来年1月2、3日に開催される。日刊スポーツ東北版では「箱根を駆ける東北魂!!」と題し、東北にゆかりのある注目選手を紹介します。

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敵将となった恩師に恩返しの快走を誓う。初の箱根駅伝に臨む明大・堀颯介(1年)は仙台育英(宮城)出身で、前年度まで同校を率いた大東大・真名子圭監督(44)に、その才能を見いだされた。ルーキーながら名門のエントリー選手16人に選出。大東大と直接対決の機会を得た。「箱根駅伝でしっかり走ることが、真名子先生と一緒にやってきたことの証明につながるので、受け継いだものを見せられる走りをしたいです」と成長した姿を見せる。

堀は宮城県亘理町出身で、亘理中時代はサッカー部だった。中学3年時に出場した宮城県ロードレース選手権男子3キロの部で優勝。その大会の視察に訪れた真名子監督の目に留まり、陸上転向を決意する。「高校でサッカーを続けようと思っていましたが、『陸上の方が上を目指せるのかな』と真名子先生を信じ、仙台育英に入学しました」。しばらくは練習についていけずに「陸上を選んだのは間違いだったかな」と悩んだ時期もあったが、地道に力をつけた。

主力へと一気に駆け上がった。高校2年時の11月に行われた東北高校駅伝でBチームの一員として出場し、1区区間賞。好調をキープしたまま翌月の全国高校駅伝(都大路)にも大抜てきされ、6区で区間賞を獲得し、準優勝に貢献した。3年時の都大路は3区で区間15位と振るわなかったが、主将として3位に入ったチームをけん引した。

箱根駅伝では山下りの6区を希望する。区間5位以内かつ58分30秒前後が個人目標。ブレーキをかけず、突っ込んで走ることを意識した上で「びびらずに下れれば、良い順位で来られると思うので、頑張りたいです」。小学校低学年から憧れた明大のユニホームをまとい、山下りで攻めの姿勢を貫く。

◆堀颯介(ほり・そうすけ)2003年(平15)10月25日生まれ、宮城県亘理町出身。亘理中、仙台育英を経て22年に明大入学。自己ベストは5000メートルが13分58秒00、1万メートルが28分40秒90、ハーフマラソンが1時間4分15秒。全国高校駅伝は20年が6区区間賞でチームは準優勝、21年が3区区間15位で同3位。172センチ、53キロ。血液型A。