学生最強ランナーの駒大・田沢廉(4年)は、新型コロナウイルス感染からコンディションが万全ではなく、花の2区で区間3位に終わった。

「状態は60%ですが、今日出せる力を出し切った。悔いはないです。練習も短くて不安もありつつ、まとめられた形かな」と振り返った。2位でタスキを受け、12キロ地点で中大・吉居大を抜いて首位に立ったが、権太坂に入って苦しい表情に。ゴール直前で吉居大に抜き返された。記録では青学大のエース近藤にも10秒差で負けた。

コロナ感染したのは12月上旬。せきなどの症状がひどく、発熱もあった。「1週間ぐらい練習できず、状態を上げられなかった」。大八木監督からは監督車から「男だろ!」と何度もゲキを飛ばされた。「『男だろ!』ってめちゃくちゃ言われたけど、男になっても厳しかったかな。限界だった」。監督からは「ありがとう」と感謝されたが「自分は申し訳ないなと。エースとしての走りができなかった」とうなだれた。

昨年は2区区間賞を獲得。田沢にとって、今大会が最後の箱根になる。「日本を代表する選手を目指しているので、五輪や世界陸上を目指して監督と頑張っていきたい」。2区を走り終えた後、給水係のゼッケンを着用。ペットボトルを持ち、山川をゴール付近で待った。「これで終わりではない。復路でも声掛けなどをしていくつもりです」。チーム目標の3冠に向けてサポートに徹する。【近藤由美子】