21年東京オリンピック(五輪)女子1500メートル8位入賞の田中希実(23)が中距離大会「THE MIDDLE」の女子1000メートルに出場し、2分44秒54をマークした。

3月27日に豊田自動織機の退社を発表後、初レースに臨んだ。同大会へは「自分の感覚を知る上で、順位やタイムを気にせず走れるレースに出ておきたかった」との理由で出場。落ち着いてペースを刻み、余裕のある表情でゴールした。

レース後は「練習は良くてもレースだと硬くなることが最近続いていて。今日もそういう感じのレースになってしまったので、そこは自分らしさを見つめ直す機会にしたい」と振り返った。

同大会は約500人の観客がスタンドの客席ではなく、グラウンドレベルで見守った。笑顔で振り返りつつ「今回は観客の皆さんがたくさん来てくれているような感じがした。ただ、海外だと観客と選手の距離が近くて、観客がたくさん埋まるくらいや客席からトラックにはみ出すくらいのこともある」と比較。日本の陸上界のさらなる発展にも目を向けていた。

今季は8月の世界選手権(ブダペスト)代表入りを1つの目標に掲げる。

「世界陸上が一番狙いたい大会なので、そこにあわせられるように1つ1つ地道に頑張っていきたい」

新たな景色を見るため、田中なりに歩み続ける。【藤塚大輔】