陸上の世界選手権東京大会は19日、国立競技場で第7日を迎え、世界女王の北口榛花(JAL)らが出場の女子やり投げ予選などが行われる。投てき種目で注目されているのが、フィールド内を動くラジコンカー。X(旧ツイッター)でも「ラジコンでやり投げのやり運んでるのなんかいいな」「やりを回収しているラジコンがかわいい」などと関心が高まっている。
話題のラジコンカーは、オフィシャルパートナーとして初めて陸上の世界選手権に協賛したHondaが開発や操作を担う。今大会はマラソン審判長車をはじめ、約120台の車両を提供しており、ラジコンカーもその一環。同社によれば、1度の競技につき2台で投てき物を回収しているという。国立競技場の1階席上部から、担当者2人が遠隔操作している。
芝生への影響にも配慮した。開幕3カ月前の国立競技場での走行テストを経て軽量化を試み、市販の軽いバッテリーを搭載したり、材質を鉄からアルミ材に変更したりと工夫。同社のスポーツプロモーション担当者は「Hondaの想いが技術に集約されている」と語る。
陸上競技会でラジコンカーが用いられるのは珍しいことではなく、昨夏のパリオリンピック(五輪)や今年5月に国立競技場で開催されたセイコー・ゴールデングランプリ(GGP)でも使用された。陸上ファンにとっては見慣れた光景だが、Hondaのラジコンカーには大きな特徴がある。それが26年から北米を皮切りにグローバルで発売を予定しているEV(電気自動車)の「Honda0(ゼロ)SUV」のプロトタイプをモデルとしていること。現在開発中の車両の4分の1サイズで設計されているという。「未来の車をラジコンカーにすることで、少しでも陸上ファンや会場を訪れた方に興味を持っていただきたかった」と願いが込められている。
ラジコンだけでなく、女子選手のゼッケンの「HONDA」のロゴも話題となっている。Xでは男子マラソンで五輪2大会出場の大迫傑が、14日の女子マラソンの競技中に「アメリカ代表のユニホームはゼッケンスポンサーの影響で、まるで“Honda自動車陸上部”のように見える。これはもう、Hondaさんの勝利といえる」と投稿。これらの反響についても「好評の声をいただいていてうれしく受け止めております」とした。
34年ぶりの東京開催となった世界選手権は、連日盛り上がりを見せている。同担当者は「夢を追いかけるアスリートのチャレンジを、さまざまなかたちで応援できれば」と力を込めた。【藤塚大輔】

