<陸上:日本選抜和歌山兼モスクワ世界陸上代表選考競技会>◇28日◇和歌山市紀三井寺公園陸上競技場

 女子7種競技は初日をトップで折り返した桐山智衣(21=中京大)が、6種目めのやり投げで失敗して冨山朝代(25=東大阪市陸協)に38点差に迫られたが、最終種目の800メートルでわずかに先着して逃げ切った。5357点は自己3番目の記録。「自己新は砲丸投げだけでしたが、走り高跳びなど4種目で、自己記録から少しのマイナスでやり遂げられたのは収穫です」。

 4月中旬までウエイトトレーニングの頻度を多くするなど、パワー系の強化を重点的にやってきた。スピード系の種目に不安があったが、200メートルで自己2番目の記録を出すなど、双方の要素が噛み合いつつある。

 次に照準を合わせるのは6月の日本選手権。昨年、最後の800メートルで逆転負けを喫した大会だ。「自己記録(5463点)が一昨年に出したものなので、自己新を絶対に出したい。この大会までは種目個々に考えてやってきましたが、日本選手権は7種目をトータルでこなしていけるようにして、混成競技らしい戦いをしたい」。

 174センチの長身で、長い手脚は日本人離れしている。「5573点の学生記録が今季の目標」としているが、将来的には日本人初の6000点突破を狙える素材と期待されている。