<全国高校総体:新体操>◇4日◇佐賀県総合体育館◇男子団体

 神埼清明(佐賀)が19・200点を獲得し、3年ぶり4度目の優勝を飾った。地元開催の大声援を力に変えて、ノーミスの演技で他を圧倒した。けが人続出で九州予選は4人で演技。演技構成を短期間で作り直すなど、逆境を乗り越えてつかんだ勝利だった。

 演技が決まるたびに大きな歓声が、佐賀県総合体育館にこだました。圧巻は、中盤の演技。梅崎瑠聖(2年)が床の中心で倒立をピタリと止めると、他の5人は梅崎を囲むようにブリッジを決めた。きれいにそろった演技に、地元の声援は最高潮に達した。「あまりの声援に鳥肌が立ちました。応援を力に変えられた」と主将の栗山隼(3年)は胸を張った。

 逆境をはねのけての優勝だった。九州予選では栗山主将らが腰痛などで出場できず、4人で演技し本戦への出場切符をつかんだ。ケガに泣かされ、6人で練習できる期間もわずか。「6人で全国優勝を果たしたかった」とは3年生の藤田啓暉。全員そろって演技するため、4人の演技構成を約2週間で作り直した。そろった演技が要求される競技だけに、通常の練習に加えて、朝練も自らに課した。毎朝練習していたのが、今回もっとも大きな歓声を集めた演技中盤のバランス倒立だった。

 地元の利も生かした。会場は普段から大会など使用する機会が多くホームのような場所。「仲間や監督、佐賀の人たちのおかげで勝てた」。栗山主将の言葉がメンバーたちの気持ちを代弁していた。