<全国高校総体:サッカー>◇準決勝◇6日◇福岡・レベルファイブスタジアム

 男子サッカーは準決勝2試合を行い、流通経大柏(千葉)が真岡(栃木)を6-0で下して5年ぶりに決勝進出を果たした。主将のDF石田和希(3年)が先制点を含む2得点1アシストと活躍し、チームを勝利に導いた。総体6度優勝の実績を誇る市船橋(千葉)は正智深谷(埼玉)と対戦。PK戦を制する辛勝だった。決勝は5年前と同じ千葉県勢対決となった。当時は雷雨で両校優勝となったが、今回はそれぞれ単独優勝を狙う。

 主将の石田が、要所で得点を決めた。前半8分にはFW立花歩夢(3年)が得たPKを冷静に流し込んで先制。2-0で迎えた後半30分にはMF秋山陽介(3年)に決定的なパスを供給して真岡を突き放した。その2分後にはドリブル突破で相手DFをかわして、ダメ押しの4点目を決めた。

 5年ぶりの決勝進出をけん引した主将は「市船橋にリベンジしたい」と力を込めた。6月の県予選決勝で市船橋に2-3で逆転負け。この日、そのライバルの決勝進出を目に焼き付けて試合に臨んだ。「常にあの負けを忘れないように練習してきた」と勝利への意識は高かった。気温34度の猛暑の中、疲れが見えるイレブンをプレーで、声で鼓舞し、チームを盛り上げた。

 チームは立花が全5試合連続ゴールを決めるなど好調を維持。さらに石田が後半から中盤に上がるオプションを試すなど収穫も得た。本田裕一郎監督は「相手が(前半7分に退場し)1人少ないのに全然ダメ。攻撃のアイデアが少ない」と手厳しかったが、「決勝はおもしろい試合をしたい」と自信もみせた。

 08年大会では両校ともに決勝進出も雷雨で試合が中止となり、両校優勝となった。石田主将は「わずかなチャンスを逃さず勝ちたい」と単独優勝と、リベンジへ決意を固めた。