<全国高校総体:柔道>◇1回戦◇7日◇福岡市民体育館◇男子団体

 5年連続出場の静岡学園は1-4で強豪の国士舘(東京)に敗れ、初戦敗退となった。先鋒(せんぽう)と次鋒が敗れて迎えた中堅で、高校選手権(3月)無差別級優勝の佐藤和哉(3年)が得意の大外刈りを決めて優勢勝ち。しかし、その後の2人が勝利できず、過去11度の優勝を誇る名門に力負けした。佐藤は明日9日の個人戦100キロ超級に出場する。

 力の差は歴然だった。先鋒の星野圭祐(3年)が負けて先手を取られると、次鋒の佐野安大(2年)も残り25秒で払い腰を決められ一本負け。渡部直樹監督(41)は「前の2人がポイントを取らなければ勝ち目はなかった」と、中堅の佐藤が優勢勝ちを収めたが、副将と大将も勝利できず、初戦敗退。5人の平均体重で20キロも違う相手に完敗した。

 チームで唯一個人戦に出場する佐藤は意地を見せた。試合序盤は「力んでいた」と相手の変則的な動きに苦戦。それでも、残り41秒で得意の大外刈りを決め、終了間際には小外刈りでポイントを奪取。危なげない試合を見せ「4分間試合ができて、気持ちに余裕が出てきた」と手応えを口にした。

 3月の高校選手権では宿敵のウルフ・アロン(千葉・東海大浦安)を準決勝で破り、初優勝。4月には井上康生以来、17年ぶりに高校生として全日本選手権にも出場した。大舞台での経験は豊富だ。佐藤は「チームは勝てなかったけれど、僕は個人戦が勝負なので。しっかりベストの状態にして全力を尽くしたい」と気持ちを切り替えた。【神谷亮磨】