<柔道:グランドスラム東京2012>◇初日◇30日◇東京・代々木第1体育館◇女子48キロ級

 ロンドン五輪出場を逃し、どん底を見た浅見八瑠奈(24=コマツ)が、力強い姿を見せた。

 決勝は、メストレ(キューバ)に横四方固めで一本勝ち。今年1月のマスターズ大会以来の国際大会で、2連覇を果たして「ホッとしています」と安堵(あんど)した。

 悔しさは、決して晴れていない。昨年の世界選手権で2連覇を果たし、絶対的なリードを誇っていた五輪選考。だが、最終選考だった5月の選抜体重別選手権でまさかの初戦敗退を喫して、落選した。8月の全日本実業個人選手権、11月の講道館杯に続く3連勝も、今年を「悔しい思いをした1年だったと思う。一生忘れることはできない」と言い切り「複雑ですね。(今大会で)勝ったら勝ったで、なんであのとき勝てなかったんだろうと…」と、ため息も出た。

 それでも、周囲の数多くの励ましがあって、再び前を向いてきた。「人って、こんなに温かいんだなって思いました。次の目標は来年の世界選手権。3連覇へいいスタートが切れた」と、静かに笑みを浮かべた。