体操ニッポンに新兵器誕生だ! 男子の鉄棒やつり輪など器具を支えるワイヤの張力を計測できる機器を、文科省のマルチ・サポート事業の協力を得て日本男子代表チームが開発した。この正確な張力測定器が、選手の味方となりそうだ。

 ワイヤの張り強度を調節することで、鉄棒ならバーのしなり具合が変わる。選手ごとに好みの強度があり、日本代表の森泉貴博コーチによると、鉄棒なら「加藤凌平は緩く、植松鉱治は強く張る」。それを、これまでは人の手の感覚で調節してきた。

 体操には張力を測る専用機器がない。そこでヨットの帆を張る時に使用する張力計を体操用にアレンジし、20日開幕の全日本種目別選手権から試用する。森泉コーチは「数字で出るので分かりやすいし、狂いも減る」と大歓迎する。

 体操の器具はメーカーによって特徴があり、成績に影響を与える。海外では、日本製以外が使用されることが多く、慣れるのに一苦労だ。この測定器の誕生で、10月の世界選手権(英グラスゴー)で、04年アテネ五輪以来の団体金メダルをつかみ取る。