女子テニスの元世界ランキング1位で、4大大会で通算5勝のマリア・シャラポワ(28=ロシア)が7日、ロサンゼルスで記者会見し、1月の全豪オープンのドーピング検査で禁止薬物の「メルドニウム」に陽性反応が出たことを明らかにした。国際テニス連盟から、12日から暫定的な資格停止処分を受けることも決まった。

 競技力向上の効果があるとされるメルドニウムは、今年1月から新たな禁止薬物のリストに追加された。治療用に飲んだ薬に含まれていたとのことで「ルールにのっとって医者から処方され、この10年服用してきた。禁止薬物のリストに入ったことを知らなかった」と、禁止されていることを自覚しての摂取は否定した。それでも「大きな過ちを犯した。自分の体に何を取り入れているかの責任は自分にある」と違反を認めた。

 今後について、シャラポワは「私の競技人生をこのように終わらせたくはない。もう1度チャンスがもらえることを希望する」と現役続行の意思を表明した。

 ◆メルドニウム 米国立医学図書館によると、ラトビアの研究所で開発され、服用すると気分が向上し、より活発になるという。不整脈、糖尿病などの治療にも使われる。世界反ドーピング機関(WADA)はことし1月から代謝調節剤として禁止薬物リストに加えた。使用者に競技能力の向上があるとしている。

 ◆マリア・シャラポワ(ロシア)9歳で米国に渡り、後に錦織圭も学ぶアカデミーで腕を磨いた。17歳で2004年ウィンブルドン選手権初優勝。05年に初の世界ランキング1位。12年全仏で4大大会制覇を達成するなど4大大会通算5勝。188センチ、59キロ。28歳。