女子の非五輪階級55キロ級で優勝した菅原ひかり(22=岩手・種市高教)は「練習も足りなかったし、優勝は意識していなかった」と話した。今春、至学館大を卒業して同校に赴任。レスリング部の指導をしながらの練習しているが「朝練はないし、時間は少なくなった。でも、その中で集中しています」と胸を張った。

 赴任した種市高は「南部もぐり」の潜水士の愛唱歌「南部ダイバー」を歌い継ぐ海洋開発科で知られる。潜水ヘルメットと潜水士の姿がデザインされている同校のシングレットを着た菅原は「レスリング部員も卒業すると多くが潜水士になるんです。学校には潜水用のプールもあるし、みんなタフですね」と話した。

 至学館大では世界3連覇中の登坂絵莉と同期。在学時には、吉田沙保里の練習相手を務め、昨年末の全日本では決勝戦の相手にもなった。「みんな頑張っているし、私もまだ世界で戦うチャンスがあれば」と、年末に非五輪階級で争われる世界選手権もにらんで話した。もっとも「教えていると、生徒が本当にかわいくなるんです」と赴任1カ月半で「先生」の顔も見せていた。