「アモーレバスケット」で白星をつかんだ。山形商が86-53で松江商(島根)に勝利した。U-18日本代表の佐藤美羽主将(3年)が15得点8アシストとチームをけん引。この日婚約会見を行ったサッカー日本代表長友の名言「アモーレ(いとしい人)」を引用したラブコールが飛ぶ活躍ぶりだった。勢いのまま、今日25日は2冠女王桜花学園(愛知)に挑む。

 山形商・佐藤が熱い愛の声援を受けた。第4クオーター(Q)、フリースローを2本沈めて点差が30点差に開く。すると、客席の応援団からコールが飛んだ。「せーの、アモーレ!」。試合を行ったのは小さめのサブコート。サッカー日本代表・長友の愛のセリフが会場に響いた。もともと負傷で出場時間が限られる石垣加代(3年)への応援リクエストだったが、なぜか佐藤の得点シーンで仲間が絶叫。15得点8アシストで勝利に導いた主将は「なぜ言われてるのか分からなかった」と吹きだした。

 愛にあふれるバスケットだ。選手全員が豊富な運動量で相手守備を動かし、マークを外す。最後は司令塔である佐藤がフリーの選手にラストパスを供給し、流れるように試合を組み立てた。「アシストする時は自分が決められない時なんで、『お願い!』という気持ちでパスします」とシュートを決める仲間へ、愛を込めてパスを回した。

 強敵も愛で受け止める。今日25日は高校総体&国体女王の桜花学園戦。U-18日本代表で11月のアジア選手権をともに戦った仲間が6人いる相手だ。代表遠征ではともに流行中の「恋ダンス」を踊り、SNSでブームのマネキンチャレンジで笑いあった。「恋ダンスはステ(桜花学園のエース馬瓜ステファニーの愛称)が一番うまい」と話すほど仲が良く、「勝とうとするのではなく、力を出し切るベストゲームにしたい」と互いの良さを出し合った末に勝つと誓った。

 今大会限りで高橋仁コーチ(59)の退任も決まっており、「先生をメインコートに連れて行くのが目標。最高の結果で終わりたい」と花道をともに飾りたいとの思いは強い。最大の武器は団結力。「仲の良さは試合に出てますね。本当に仲がいいからやりやすい」と大好きな仲間とともに頂点に挑む。【島根純】