ショートプログラム(SP)3位だった山下真瑚(14=グランプリ東海ク)がフリー115・20点の合計170・32点で逆転優勝した。

 演技の最初に3回転ルッツ-3回転トーループ-2回転トーループの3連続ジャンプを成功させ、最後まで丁寧な滑りで「蝶々夫人」を演じ切った。表彰台の頂点に立ち「とりあえず転んだりしなかったのが良かった。(得点は)まだまだちゃんと自分のできることを出したら伸びる」と今後の成長を見据えた。

 今季取り組む新フリー「蝶々夫人」は、過去に浅田真央ら多くのスケーターが使用し、今季も18年平昌五輪を目指す宮原知子らが演じる。山田満知子コーチの指導を受ける山下は「いろいろ(な選手の)動画を見たけれど“自分の蝶々夫人”が滑れればいいなと思います。蝶々夫人は最後に死んじゃうけれど、力強い人だと思う。それを表現したい」と理想とするプログラムを頭に描いた。

 昨季までジュニアを引っ張ってきた本田真凜、坂本花織、白岩優奈はシニアに上がった。31日からのジュニアグランプリシリーズ第2戦オーストリア大会に出場する山下には、世代を引っ張る期待も寄せられる。カメラの前では照れがちの14歳は「フリーはいろいろな人から『いいプログラムだね』って言ってもらえる。自信を持っていきたい」と決意を新たにした。