11カ月ぶりの実戦で女子ショートプログラム(SP)6位発進の宮原知子(19=関大)がフリー6位の126・75点を記録し、合計191・80点で日本人最上位の5位に入った。疲労骨折していた左股関節の痛みはなく、スケーティングなどが対象の演技構成点はフリー3位と爪痕を残した。2季連続2位のGPファイナル(12月、名古屋)出場は厳しい状況だが、次戦のGPスケートアメリカ(24日開幕、レークプラシッド)でさらにギアを上げる。

 照れ笑いの宮原が「練習通りかな」とハッキリ言い切った。3回転が2回転となり、崩れた終盤のサルコー。そのミスに対し「あまりはまっていなかった」と潔かった。SPから演技時間が延び、フリーは浜田コーチが「2割程度」というジャンプの練習量激減が顕著に出た。それでも「練習通りのことを出せたので、今の段階ではまずまず」と宮原の表情は明るかった。

 11カ月離れた試合勘は想像以上に復活した。今大会に向けての練習では、試合前と同じ6分間練習を実施。リンクを離れて1度靴を脱ぎ、再び戻って曲をかけての練習に取り組んだ。そのかいあってか「力が入りすぎず、緊張しすぎず、うまく体が動いた」。何より「体は元気。後はスケート(の調子)を上げていくだけ」と大きな自信を得た。

 18年平昌五輪の選考に大きく関わる12月の全日本選手権に向け、GPスケートアメリカの1試合で仕上げる案もあった。だが、宮原の強い意向で出場を決め、「もっとボロボロになると思っていた」(浜田コーチ)とうれしい誤算の2日間になった。演技構成点はフリー3位と世界のジャッジに認められ、課題は体力とジャンプの復活。同コーチは「次は攻撃的に持っていきたい」と、完全復活への道筋が見えた。【松本航】