日本スポーツ振興センター(JSC)による「ナショナルタレント発掘・育成プログラム五輪・パラリンピック一体型合同トライアル」が、25日から2日間に日程で都内の国立スポーツ科学センターで始まった。全国規模で将来性豊かなアスリートを見いだし、適性に応じた競技・種目の選定や競技団体への育成ルートをつなぐ機会を提供するもの。

 第1日は五輪対象35人(女性16人)、パラ対象9人(同4人)が30メートルダッシュ、垂直跳び、反復横跳び、ワットバイクなどのメニューを消化した。参加者の動きをチェックした五輪・パラ関連9競技団体の関係者の目も真剣だった。

 日本サーフィン連盟は今回が初参加で、視察した宗像富次郎副理事長は「興味深い試みですね。私はダッシュのタイムや反復横跳びの回数よりも、体幹の強さやバランスを見させてもらいました」。20年東京五輪の新競技として注目度は上がっているが、その後も見据えた人材発掘、競技人口拡大を課題としている。

 今年から選手のフィジカル面を科学的に分析し、明確なデータをベースにした強化策も導入している。海上での競技だけに泳げることがスカウティングの必須条件だが、「10代の若い人で条件がそろえば、未経験者でも日本のトップクラスに成長できる可能性はあります」と宗像副理事長。この日は神奈川県在住でサッカー選手の14歳の女子中学生が目に留まり、1度波に乗ってみることを勧めていた。【小堀泰男】