2014年ソチ冬季五輪のドーピング検査所で所長を務め、ロシアの組織的な不正を告発したロトチェンコフ氏が、国ぐるみの関与を裏付ける手書きの日記を保管していることが30日までに分かった。米ニューヨーク・タイムズ紙が日記の写真とともに報じた。12月5日の国際オリンピック委員会(IOC)理事会で協議されるロシアの平昌(ピョンチャン)五輪参加可否の判断に大きく影響しそうだ。

 同紙によると、日記にはソチ五輪の開幕直前にムトコ・スポーツ相(現副首相)と面会し、不正を隠蔽(いんぺい)する選手のリストを渡したことなどが詳細に記されている。IOCは27日に公表した文書で「(日記は)後に書き直したとも事実を故意にねじ曲げて書いたものとも思えない」と結論付け、重要な証拠と判断した。

 世界反ドーピング機関(WADA)は資格停止としているロシア反ドーピング機関(RUSADA)の処分解除の条件の一つに、国ぐるみの不正を認めることを挙げているが、ロシア側は一貫して否定している。