世界無差別級選手権女子78キロ超級金メダルの朝比奈沙羅(21=東海大)が決勝で素根輝(17)を下し、2連覇を達成した。

 世界王者の称号、赤ゼッケンを着けて「簡単には負けられない」という覚悟で臨んだ。両者とも組み手争いが続き、技をかけられない時間が続いた。指導2で並んだ試合開始2分55秒、素根に3つめの指導が与えられて勝負が決まった。朝比奈は「どちらが勝ってもおかしくない試合で互角だった。赤ゼッケンを背負っているし、(20年)東京五輪まで止まっていられない」と振り返り「最後は投げて勝ちたかった。白黒はっきり出来る柔道を突き詰めたい」と本音も漏らした。

 女子48キロ級の14年世界女王、近藤亜美(22)の助言がより気持ちを奮い立たせた。近藤から「赤ゼッケンの時は背中を絶対に(畳に)つけたらダメ」と言われてきた。階級は異なるが代表遠征で同部屋だったり、機内で隣に座るなど仲が良い“サラアミ”。朝比奈は「亜美ちゃんの言葉のおかげで、迷いなく試合にいけた」と感謝し、観客席で試合を見守った近藤も「世界女王になってプレッシャーもあったと思うけど、勝ち切れたことはすごい。おめでとう」と喜んでいた。