Bシードの秋田工は17年ラストマッチを白星で飾り、2年ぶりの「花園年越し」を決めた。U-18日本代表の左CTB児玉樹(いつき)主将(3年)が「6人抜きトライ」を決めるなど攻守で活躍。初戦の硬さをみじんも感じさせず、41-7で明和県央(群馬)に快勝した。

 秋田工がBシードの実力を示した。31点リードの最後はゴール正面から児玉主将が「ウイニングPG」を決めてノーサイドの笛。大量リードの中にも、貪欲に点を取りに行く姿勢を示した。全国最多の花園通算132勝目。だが、同校OB伊東真吾監督(43)は「目標はここじゃない。何本ミスした」と試合後チームを引き締めた。

 プレースキッカーも務める児玉主将がチームを引っ張った。開始5分、絶妙のタッチキックでゴール前5メートルの左ラインアウト・モールから先制トライにつなげた。圧巻は得点を許した直後の後半5分、右中間・敵陣22メートルラインから左展開、SO柴田凌光(3年)からパスを受けた児玉主将が中央突破。追いすがる6人を次々に振り切り、豪快なトライを決めた。PGも成功させた児玉主将は「ゴールは常に真ん中を狙っています」と平然と振り返った。

 身長191センチ、体重103キロの恵まれた体格。体重は昨年から8キロ増とパワーアップ。守備でも県大会まで見せなかった鋭いタックルを披露し、「ワイドのアタック対策もできた」と胸を張る。さらに「的になって自分に人数がかかるほど外が空く」と相手マークの引き付け役も務める。伊東監督は「ミスも多かった。まだこんなもんじゃない」と、期待値が大きい。

 昨年果たせなかった花園年越しも決めた。新年ラグビー始めになる3回戦の相手はAシード東海大仰星(大阪第2代表)だ。児玉は「今日出た課題を修正して自分たちがやってきたことをやるだけ」とチームの核になって「秋工ラグビー」を貫く。【佐々木雄高】