「絶対王者」の帝京大が21大会ぶりの優勝を目指した明大を下し、9連覇を達成した。

 後半15分にロック秋山、同20分にCTB岡田が連続トライを決めて逆転に成功。改めて王者の勝負強さを見せつけた。

 試合後の会見で岩出雅之監督(59)は両校の選手の奮闘をたたえ「胃が痛くなるようなゲームだった」と表現した。「厳しい中の展開で選手がどれだけタフにやりきれるか。個々の選手の成長とチームを信じて、楽しみに試合を見つめていた」と続けた。

 今季のチームについては「のんびりしている」とし「持っている可能性はあるが、イライラするような空気感もなく、危機感を持っている時の方が団結力があった。ソフトな優しさが出る分、裏には厳しく力強いマインドが必要だった。成長もしたが、もっと力はあるチーム」と振り返った。記者から成長した選手について問われると、少し考えて「(フッカーの)堀越主将が成長した。(会見での)マイクの声がシーズン始めと違い、力強くなった。キャプテンシーを感じた。良い主将だと思う」と褒めた。帝京大の主将は選手が話し合いで決めるのが伝統で、岩出監督は主将選出には関与していない。

 隣の席でこれを聞いた堀越主将は「1年間やってきたことを出し切れた。このチームで優勝できて幸せでした。後輩には、また新たなチームで、厳しい中での楽しさを追求してほしい」と10連覇の夢を託した。