かかあ天下の「もりみま」が初の日本一に迫った。混合ダブルスで、森薗政崇(22=明大)伊藤美誠(17=スターツ)組が4回戦で連覇中の田添健汰(22)前田美優(21)組を撃破。準々決勝も完勝し、ベスト4に進出した。昨年世界選手権男女ダブルスのメダリスト同士の2人。5歳下の伊藤が主導権を握る中、互いの持ち味のスピードを全開に発揮した。

 絶叫が響く。森薗は得点を奪うたびに、大きな雄たけびを上げた。前日16日は遠慮したが、伊藤に「思い切りプレーできないから声を出していい?」と懇願し「めちゃくちゃ出していいよ」と了解を得た。この日は午前9時半の4回戦から持ち前のスピードで、連覇中の田添、前田組を圧倒。ベスト4に進出した。

 ピンチになると、森薗は「何やる」「何をしたい」と5歳下のパートナーに頼り、決断をゆだねる。「負けず嫌いで年上とか関係なく、言うことは言うが、森薗君は受け止めてくれる。話しやすい」と伊藤。森薗は「おんぶに抱っこで。自分はあがり性だが、17歳と思えないほど堂々としている。頭が上がりません」と最敬礼した。

 森薗が伊藤に敬意を持つからこそ「かかあ天下」が成り立つ。17歳にして五輪、世界選手権を経験する伊藤。「普通の発想にはない卓球をする。見ていてびっくりするプレーが多い」と、森薗はパートナーのプレーに刺激を受け、学ぶ。「美誠と組むと楽しくて生き生きできる」と続けた。

 今日18日の準決勝は同じ世界選手権メダリストペア大島、早田組。勝ち進めば決勝で同金メダルの吉村、石川組と対戦が有力。森薗は「僕と美誠らしい卓球を貫きたい」と意気込む。夫婦のように「かかあ天下」で「もりみま」も円満といきたい。【田口潤】