車いすテニス女子の上地結衣(23=エイベックス)が29日、都内のホテルで行われたエイボン女性年度賞2017授賞式に出席した。昨年の4大大会のうち全豪、全仏、全米オープンを制し、世界ランク1位で1年を締めくくった活躍が評価されてスポーツ賞を受賞した。

 いつものテニスウエアとは違って純白のロングドレスで登壇した上地は、選考委員の元マラソンランナー有森裕子さん(51)から「これまでの活躍を考えれば賞を差し上げるのが遅かったくらいです」と記念の盾を授与された。今年の全豪遠征から1日前に帰国したばかりの上地は「パラスポーツ界でも女性の活躍が目立つようになってきました。この賞を励みに20年東京へ向けて頑張っていきたいです」とあいさつし、会場内から大きな拍手を浴びた。

 その今年の全豪では連覇に王手をかけながら決勝でディーデ・デフロート(21=オランダ)にストレート負け。M・バウス(同)とのダブルスでは2年ぶり4度目の優勝を飾っただけに、2冠を逃した悔しさも募る。しかも、デフロートには昨年の全米決勝で勝って対戦成績を11勝2敗としてから3連敗になった。

 「戦い方を研究されて、私の方が後手後手に回ってしまった。迷いながらプレーしていたので、その分ミスも多かった」。相手がパワフルなトップスピン一辺倒からスタイルを変更。無理せずにボールをつなぎ、上地のバックサイドにハイボールを多用するようになってから流れが変わった。思い切ったファーストサービスにも手を焼いた。

 上地はこれまで4大大会でシングルス5勝、ダブルスでは12勝を挙げている。ウインブルドンのシングルスに勝てば、ダブルスに続くグランドスラムという快挙も実現する。そのためにも急浮上してきたライバルに逆襲しなければならない。「左右だけでなく前後の揺さぶり。それとスピンだけでなく、ポイントをしっかり取れるスライスをもう1度練習したい」。試合で乗る車いすの改良にも積極的で、現在のアルミニウムからマグネシウム製のものもテスト予定という。

 世界のトップに君臨しながら成長とチャレンジを重ね、リオデジャネイロの銅から20年東京の金メダルへ-。上地の闘いが続く。【小堀泰男】

 ※エイボン女性年度賞2017その他の受賞者

 <大賞>小池一子さん(81=十和田市現代美術館館長、クリエーティブ・ディレクター)

 <教育賞>黒田麻衣子さん(41=東横イン代表執行役社長)

 <芸術賞>荻上直子さん(45=映画監督・脚本家)