20年東京オリンピック(五輪)の競泳競技日程が、午前決勝を選択肢に入れて最終調整されていることが9日、分かった。日本水連は日本選手権中の7日に実務者会議を行い、国際水連の競技日程案を関係者に示したが、決勝の時間について「まだ決まっていません」と説明した。

 通例なら決勝は開催国の午後に行われるが、競泳人気が高い米テレビ局がゴールデンタイムで放送できる時間帯を国際オリンピック委員会(IOC)に要望している。同じアジアで開催された08年北京五輪は午前決勝、今年2月の平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)の人気種目フィギュアスケートも同様だった。すでに国際水連は日本水連に対し、午前決勝の可能性も検討するよう要望している。

 東京五輪の競泳では新しく男子800メートル、女子1500メートル、混合400メートルメドレーリレーの3種目が追加される。16年リオ五輪の8日間開催から9日間になる。さらに午前決勝が決まれば、競泳第1日は予選だけとなり、合計10日間となる見通しだ。

 決勝の時間は、IOCバッハ会長と国際水連マグリオーネ会長が会談して決める。当初は3月末に決まる予定だったが、バッハ会長が東京五輪参加について北朝鮮と協議する時期と重なり、遅れている。日本水連はJOC竹田会長を通じて午後決勝の要望書を出したが、関係者は「厳しそうだ。近日中に返答があるだろう」と見通しを口にした。ただ日本競泳陣は08年北京五輪で金2、銅3と5つのメダルを獲得しており、準備期間があれば対応可能といえる。