B1復帰の可能性が消えても、貪欲さは失わない。Bリーグ2部(B2)東地区4位の仙台89ERSは、14日から香川・高松市総合体育館で西地区5位の香川ファイブアローズと2連戦を行う。勝率は僅差で相手を上回っており、前節でホーム2連勝した勢いにも乗りたい。12日は仙台市のHALEOドームで約2時間、シュート練習やゾーンディフェンスの確認に汗を流し、週末の連戦に備えた。

 指揮官の怒鳴り声が空気を変えた。ウオーミングアップもそこそこに、高岡大輔ヘッドコーチ(HC、36)は「俺たちがやってるのは部活じゃないんだ!」と一喝した。そのひと言で選手の動きが一変。「前節、連勝したことで選手たちに気の緩みがあった」というムードを引き締め直した。

 香川はフィールドゴール成功率が39・9%とB2最下位。仙台はこの弱点に目をつけ、リバウンドで流れをつかむつもりだ。前節第2戦、8日の岩手戦では、ポイントガード(PG)志村雄彦(35)が試合終了間際に逆転3点シュートを決めた。今季限りでの引退を表明するベテランは、「1勝と連勝とでは全く違う。チームが勢いづいている」と手応え。その上で「得点源のレジー(レジナルド・ウォーレン)が打つシュートのこぼれ球を、チーム全員で奪いたい」と香川のエース封じへ、闘志をたぎらせた。【神稔典】