日本は中国に1-3で敗れ、14年以来2度目の優勝はならなかった。シングルスで桃田賢斗(23=NTT東日本)が、16年リオデジャネイロ・オリンピック金メダリストの■竜に2-0で先勝したが、第2試合から3連敗。過去9度の優勝を誇る中国相手に1歩及ばなかった。

 2度目の頂点には届かなかった。それでもエース桃田が世界にその強さをアピールした。五輪王者の■竜相手にネット際の駆け引き、力強いスマッシュが冴える。「150%ぐらいの力が出たんじゃないか」と驚く、2-0の圧勝だった。

 14年には19歳で初出場。前髪を金に染め、仲間に「チャラい」と言われながら伸び伸びとプレーし、初優勝に貢献した。それから4年。さらに強くなり、この舞台に戻ってきた。16年4月に違法賭博行為が発覚。試合出場停止処分を受け、五輪には出られなかった。しかし、その間に筋力とスタミナを強化。それまで得意としてきたシャトルを自在に操るプレーに、力強さを加えた。昨年5月に1年2カ月ぶりに復帰。わずか1年で世界のトップレベルまで力を取り戻した。

 敬愛するイチローの言葉を胸に刻む。「毎日の積み重ねが、一瞬の奇跡を呼ぶ」。処分中と変わらず、今も時間があれば走って体を鍛える。試合に負けると、納得するまで、1時間ランニングマシンで走り続けることもある。全6戦で各国エースを倒し「戦いの幅が広がった」。目標とする世界の頂点へ、また自信をつかんだ。

※■は言ベンに甚