日本体操協会が29日、都内で、体操女子リオデジャネイロ・オリンピック代表の宮川紗江（18）への暴力行為で無期限の登録抹消と味の素ナショナルトレーニングセンター（NTC）での活動禁止処分を下した、速見佑斗コーチ（34）に関する一連の騒動について会見を開いた。

日本体操協会側は会見の中で、速見コーチが13年9月から18年5月の間、宮川に暴力をふるっていたことを認定し、処分したと説明した。報道陣から過去、暴力で処分された指導者がいたかと質問が出ると、山本宜史専務理事は「永久追放、登録抹消、資格停止」と言及。具体的な処分者、内容については資料が手元にないとして言及しなかった。

その上で、山本専務理事は、速見コーチの処分について「無期限となっていますけれど期限はない。速見コーチが自由に指導できるし、暴力のない指導をすることで実績積んできていただければ、認めてもらい、都道府県協会から申請してもらえれば検討することになっている」と強調。「永久追放というイメージではないんです。そういう人は絶対にいらないという話なら、永久追放になったかもしれない。そのあたりを話して決めた」と、速見コーチが必要のない人材ではないことを示唆した。

また宮川についても「非常に有能、日本にとって大事な選手。彼女の言っていることが正しいかどうか、彼女の考えていることと協会の考えているところは、違うところはある。引き続き、体操は頑張って欲しいということ」と評した。その上で宮川が2020年東京五輪特別強化選手の脱退を求めていることを踏まえ「選考会を勝ち抜き、代表として頑張ってもらうのは、宮川さんを含め、同じ」と、宮川と他の選手を差別するつもりがないことも強調。「協会として速見コーチを処分するにあたり、宮川選手のバックアップする用意はある」と繰り返し、主張した。【村上幸将】