16年世界ジュニア女王で今春から米国を拠点とする本田真凜(17=JAL)がSPで62・74点をマークし、4位発進した。ジャンプで回転不足のミスがあったものの、フリーでの逆転表彰台へ自信を見せた。

氷上に真凜スマイルがはじけた。赤い衣装におだんごの髪形で「今までにないダンサブルな曲」というSPを躍動感たっぷりに滑りきると、笑顔で両手を突き上げた。

しかし、得点が表示された途端、その笑顔は消えた。2連続3回転ジャンプの後ろのトーループ、単発の3回転フリップで回転不足となって点数が伸びず、4位止まり。それでも、思いきり演技できたことが収穫だった。「技術の部分は直す部分はあるが、他の部分は出せた。今の時点では良い演技」と前を向いた。

シニアデビューした昨季、目標だった平昌五輪(ピョンチャン・オリンピック)出場には届かなかった。今春「自分の可能性を伸ばすため」と兄太一(20)とともに思いきって拠点を関西から米国へ移した。指導を受けるのは過去に浅田真央さんのコーチを務め、現在男子の世界王者チェン(米国)を教えるラファエル・アルトゥニアン氏。ジャンプの指導に定評のある名将のもと、チェンら10人の仲間と一緒に練習している。

苦労はある。英語でのコミュニケーションはまだ不安で、日本にいる大好きな妹たちとも時差の関係であまり連絡は取れない。それでも「軽い気持ちじゃダメ。あと4年、必死に頑張りたい」。届かなかった五輪の舞台を見つめ、週5で自炊するなど前向きに挑戦を続ける。

3位サモドゥロワとの差は1・67点。フリーに向けて「自分の中では自信がある。現時点での最高の演技をしたい」と初のGP表彰台を目指す。