関学大が2年ぶり29度目の大学日本一に輝いた。

第1Q2分10秒、攻撃の最初のシリーズで残り1ヤードからRB中村行佑(4年)のダイブで先制TD。その直後に追いつかれるが2本のFG、第2Q6分13秒には残り1ヤードからQB光藤航哉主将(4年)がキープでエンドゾーンを駆け抜け、早大を突き放していった。

試合前、鳥内秀晃監督(60)は「(甲子園ボウルに)出ることで満足している。緊張感がない。今の状況では厳しい」とチーム状況を辛口にぶった切っていた。

立命大との甲子園ボウル出場校決定戦では、終始リードされながらキッカー安藤亘祐(3年)の“サヨナラFG”で勝利した。その激闘でRB山口祐介(4年)ら主力が負傷離脱。そんな不安も、指揮官の厳しい言葉につながっていた。

昨年は日大に敗れた。光藤主将は「自分たちは『甲子園で負けて始まったチーム』と言われ続けてきた。その悔しさを晴らすのは甲子園しかない。僕の代で日本一にします」。味わった悔しさを晴らすために、自ら主将に立候補した。鳥内監督の辛口とは裏腹に、気迫に満ちたプレーで早大を圧倒した。

QB奥野耕世(2年)は、5月の定期戦で日大選手による悪質タックルで負傷離脱した。浴びたくもない注目もされた。そんな激動の1年を締めくくる甲子園。「大学日本一を決める大きな舞台。恥ずかしくないプレーをして、しっかり勝ちたい」と誓っていた。

最多記録を更新する29度目の甲子園制覇。関学大の苦しみは報われた。