東北勢最後のとりでだった男子の明成(宮城)が60-69で帝京長岡(新潟)に敗れ、連覇を逃した。3点シュート3発など22得点を挙げて追い上げたが田中裕也(3年)は「日本一になって(佐藤)久夫先生たちに恩を返せなかったのは悔いが残る」と涙。中大進学が決定しており「大学でも日本一をとりたいし、後輩たちにもまた優勝してほしい」と思いを託した。

第1クオーター(Q)から外国人留学生に10連続得点を許すなど、高さに屈した。インサイドからのシュートも、ことごとくブロックされた。佐藤久夫コーチ(69)は「お化け屋敷の中でやっている感じ。怖がっちゃっている。お化けを驚かすくらいじゃないと」。2メートル前後のビッグマンと相対する精神的な弱さを敗因に挙げ、「ゲタを履かせたり、ハエたたき持たせたり」と案を巡らせた。

1、2年生が数多く大舞台を経験し、課題を得たことは収穫だ。叱咤(しった)激励のメリハリ指導にも難しさを感じつつ「担々麺も辛さの中に甘さがあって味が良くなる。年寄りと言わず頑張ります」。ビッグマンに負けず、V奪還を誓った。【鎌田直秀】