競泳女子の池江璃花子(18=ルネサンス)の衝撃的な白血病の公表を受け、東京・江東区の香取神社の香取邦彦宮司(71)は14日、池江に必勝絵馬と勝守りを送ると明かした。

かつての練習拠点に近く、16年リオデジャネイロ五輪(オリンピック)前に池江も参拝に訪れた縁がある同神社は、スポーツの勝負事や病気平癒に御利益があるとされる。すでに参拝客が池江への思いを込めたとみられる絵馬も掛かっていた。

かつて池江が練習拠点としていた東京・亀戸。駅から北へ約10分、大通りを歩くと、香取神社はある。参拝客が祈願を記す絵馬。その中に「池江璃花子選手 病気平癒 平成31年 2月13日」とあった。20年東京五輪の夢を抱いて、過酷な現実と向き合う18歳の回復を願う思いが、ここでも広がっている。

宮司の香取さんも完治を願い、必勝絵馬と勝守りを贈る。15日、手紙も添え、親交のある関係者へ届ける意向という。香取さんも池江がSNSで告白した時には「えっ」と信じられなかったという。少しでも力になればと思いを込め「国民的な人。でも、人のためではなく、自分のために1日でも早く快癒してもらいたい。オリンピックは意識せず、よくなった上で頑張って欲しい」と話した。

香取神社は平安時代中期に藤原秀郷が戦勝を祈願し、平将門の乱を鎮めたことなどを由来とし「スポーツ振興の神」がまつられていると有名だ。トップ選手も必勝祈願に訪れる。池江も初詣に足を運んでいた。リオ五輪前の16年6月にも参拝し、絵馬に「2016リオで決勝進出 2020東京で金メダルを取る! 必ず有言実行!! 池江璃花子」と記した。当時、淑徳巣鴨高1年で、女子100メートルバタフライで日本新記録での5位入賞を果たした。

スポーツだけでなく、香取神社は病気やけがに打ち勝つ御利益もあるとされている。香取さんは「(池江は)言葉の端々から強いものを感じる。(病気も)克服してくれると信じている。ただ、それが重みにならないかも心配です」と気づかった。池江の“地元”も、力強いサポートを続けている。【上田悠太】