スピードスケートと自転車で計7回、オリンピック(五輪)に出場した自民党の橋本聖子参院議員(54)が16日、都内で行われた「アスリートトークin府中」に登壇した。

学生時代に腎臓病を患い、生死をさまよい、克服した経験を語った後、白血病を告白した池江璃花子(18=ルネサンス)について言及した。

池江が今春、入学する日大スポーツ科学部に娘も進学するといい、「池江選手に何とか頑張って欲しいと同時に、彼女ならできると信じています」と回復を願った。

「それはなぜか」と話してから、続けた。JOCの副会長も務める橋本氏は「スポーツに神様はいます。そしてオリンピックとパラリンピックにも神様がいるとすれば、私はオリンピックの神様は今回、池江璃花子の体を使って、オリンピック、パラリンピックというものをもっと、大きな視点で考えなさいと言ってきたのかなと私は思いました」。

昨今、スポーツ界は不祥事が続いている。

「悩んでいる選手もいる。どうしたらいいか分からない人もいる。そのガバナンスとコンプライアンスをしっかりしないといけないと思って、オリンピックもパラリンピックを1年半後に控えた今、池江選手が素晴らしい発信をしてくれたことによって、スポーツ界全体が、そんなことで悩んでいるべきではない。そんなことで、大きなことではあるのですけども、ガバナンス、コンプライアンスで悩んでいる場合ではない。もっと前向きにしっかりやりなさいよという発信を、池江選手を使って、私たちに叱咤(しった)激励をしてきているのかなと風にさえ、思いました」。

その上で「まずは完治を目指して、そして、その彼女の素晴らしいアスリート魂と人間力というものを大事にして、そして大きなチームジャパンというチームを組んで、彼女を中心として、2020年、誇りあるオリンピック・パラリンピックの舞台の作りに全力を注いで、やっていきたいと決意を新たにしているところです」と口にした。

トークショー終了後、報道陣に囲まれた橋本氏は「神様は今回、池江璃花子の体を使って」などの発言の意図を説明。池江はSNSで「神様は乗り越えられない試練は与えない」と記していた。そのことに触れ「オリンピックの神様は池江さんにそのようなコメントを出させることは、やっぱりスポーツ界全部がしっかりと、一緒になって立て直さないといけない。そういうことを池江選手のメッセージから受け取ったということです。私たちこそが池江選手の治療に専念できる環境、頑張ってもらえる環境を作ることが大切なことなんだと教えられたということです」と話した。