中田ジャパンの司令塔は誰になる? 世界ランキング6位の日本は同33位の台湾を3-0で圧倒。

全16選手をコートに送り、エース格の石井が両チーム最多の16得点と決定力を発揮しても、中田久美監督(53)の表情はさえなかった。

「セッター? まだ、決まってません」。東京五輪まで1年を切り、前哨戦のW杯まで1カ月になっても司令塔を絞り込めない。この日もルーマニアで1年間プレーした田代を先発させ、中田体制で出場が多い佐藤とリオ五輪代表の宮下を途中出場させた。田代は配球、佐藤はトスの質、宮下は高さと守備力が特長だが「3人の長所を足して割れれば…」と元世界的名セッターの要求レベルは高い。

セッターが決まらなければチームは固まらない。3人の中から誰が抜け出すのか。「W杯まで地獄の合宿です」。東京の金メダルへ、中田監督にとって悩み深く、決断の夏になる。【小堀泰男】