男子100キロ超級で、16年リオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜(27=百五銀行)が銀メダルを獲得した。

   ◇   ◇   ◇

原沢は2年間、食事管理に励んだ。初戦敗退した17年9月の世界選手権後、「オーバートレーニング症候群」と診断された。過労のほか、急激な体重増加も影響。リオ五輪時は125キロだったが、海外勢対策として130キロに増量して臨んだ。体脂肪は増え、筋量は低下していた。

完全休養を機に食事を見直し、公認スポーツ栄養士で母校日大の松本恵教授に指導を受けた。1日3回の食事写真をLINEで送り、主食の増減や献立などのアドバイスを受けた。1日約5000キロカロリーを必要とするが、小食で試合前になると食欲不振に陥ることが多々ある。そのため国際大会などでも松本さんに同行を依頼し、サポートしてもらった。大会当日は試合時間を逆算して、この日も松本さんが準備したハチミツ入りのフルーツサラダや100グラム以下の一口おにぎりなどを口にして栄養補給した。

不調な時期を乗り越え、栄養の意識改革の効果もあり、復調の兆しを見せている。松本さんは「原沢選手の真面目な性格が少しずつ結果に表れている。20年東京五輪決勝までサポートする」と、3年前のリベンジを願っている。